3159やさしさの向こうに悲しみがある
子ども 詩のポケット59
梅原ひとみ詩集 やさしさの向こうに悲しみがある
梅原ひとみ:著 山田 和明:画
A5判上製 80ページ 定価:本体1,400円+税
ISBN978-4-86261-189-5 C8392
発行:2024年11月
対象:小学校低学年~
◎少年詩シリーズ「子ども 詩のポケット」
内容
「あなたを夢の近くまでつれて行く」
あまたの困難をのりこえて、この世界に生きる。
自分を取り囲む世界をやわらかい詩心でうたいあげた少年詩集。
*******************
生きているだけでいい
ぼくの存在自体を
よろこんで受け入れてくれた両親
空を見上げれば青い
小鳥がさえずる
生きているだけでいい
からだが動かない
こころはどこなの
それがどうしたの
生きているだけでいいんだよ
青い空は
私たちのこころなんだよ
広くて 深い
生きているだけでいい
――「ありがとう」より
*******************
目次
Ⅰ やさしさの向こうに悲しみがある
やさしさの向こうに悲しみがある
始まる
ありがとう
金太郎飴
不安
立っている
小児マヒ
メニュー
運動会
健康
Ⅱ ぼくのヒーロー
留守番
なっちゃんの夏
ウジウジ虫さんさようなら
赤おにさん 青おにさん
かおりちゃんかきくけこ
出てきた
直樹くんの木
根野菜の唄
ぶらんこ
油絵
自己ベスト
レッスン
バームクーヘン
ぼくのヒーロー
ぎもん
ドンクサイ
フニャフニャ
Ⅲ はじめてのホットケーキ
はじめてのホットケーキ
父ちゃんの目覚まし時計
イバルオトナ
二歳の弟
姉・妹・弟
願いごと
おかあちゃんはバンドエイド
オマチライス
ママと
前借り
Ⅳ 嘘の種
嘘の種
本
カラッ風
かめ
かめⅡ
かめⅢ
ようやく探り当てた世界(冨岡 みち)
あとがき
あとがきより
九歳の時、七歳の弟を白血病で亡くしました。その時、私は弟の分まで生きようと決めました。その後、十一歳で妹、十二歳で弟が生まれ、家族が増え、一度に賑やかに成りました。「おねえちゃん」と云うには余りにも年が離れていて 今はもう家庭を持っています。
思春期に投函された贈り物なのか、私は心が育ちませんでした。
気がつけば 今で云う前期高齢者前、歳月が過ぎた割に 失敗すら経験出来ませんでした。その経験のなさから、何度、「人生が終わった」と思ったかわかりませんし、両親を始め、その関係者に対しては悔やんでも消えない痼となり深く残ってしまいました。
そんな中で「貴女を待っている人がいるのよ」との憧れの女性、Mさんの一言に アルプスの少女ハイジの気持ちで NHKのカルチャー講座・守口で 冨岡みち先生と出逢いました。それが詩の教室とは知りませんでした。
こんな私の作品、ひとつ、ひとつが過去の楽しい事、悪い出来事も含めて自分に戻ることが出来、一冊の本のかたちに収まりました。感謝する方々を繰り返し、繰り返し云っても足りません。
この本を手に取り読んで下さるオトナ、子ども達、独り、ひとりに「ありがとう」と云いたいです。
これからは「ごめんなさい」より多くの「ありがとう」を云える私の新しいスタートとして一歩、前に進む気持ちです。
著者プロフィール
■著:梅原ひとみ(うめはらひとみ)
1963年生まれ。
大手前(女子)大学卒業。
2017年より、冨岡みち氏に師事。
楠・伽羅同人。
■画:山田 和明(やまだかずあき)
1961年、京都市生まれ。京都嵯峨美術大学(旧嵯峨美術短期大学専攻科)卒業。1990年、アクアスタジオ設立。日本児童文芸家協会会員。2010年・2011年、2018年イタリア・ボローニャ国際絵本原画展入選。2011年、絵本「My Red Balloon」がDIE ZAIT(ドイツ)においてルークス賞を受賞。2013年、絵本「My Red Balloon」がドイツ・トロイスドルフ絵本賞を受賞。2017年、絵本「巨人と男の子」が小涼帽絵本賞(中国)を受賞。2018年、「あかいふうせん」が第9回ようちえん絵本大賞を受賞。絵本「おじいちゃんのふね」岡信子:作(リーブル)、絵本「My Red Balloon」(minedition)等。