3154ゴーヤのつるが
子ども 詩のポケット54
柘植愛子詩集 ゴーヤのつるが
柘植愛子:著 高垣真理:画
A5判上製 84ページ 定価:本体1,400円+税
ISBN978-4-86261-162-8 C8392
発行:2020年11月
対象:小学校低学年~
◎少年詩シリーズ「子ども 詩のポケット」
内容
小さな生き物たちのたくましい生命力をうたった少年詩集。珠玉の35編を収載。
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犬はまってる まっている
おじいさんがこの道を
杖つきながら通るのを
いつもの時間もおぼえてる
犬はきいてる きいている
おじいさんの足音を
門のところへかけてきて
まってたよってあまえてる
犬はまってる まっている
おじいさんに会えるのを
まっているのでおじいさん
散歩するのをやめられない
――「犬はまってる」より
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解説より
「こども達から観方を教えられた」と作者自ら言っているように、柘植さんの作品には常に子どもの視線がはたらいている(中略)。
柘植さんがこれからも、子どもの視線をはたらかせながら、小さな虫たちや鳥、植物などのたくましい生命力を表現した詩を書きつづけられることを期待したい。(畑中圭一「解説」より)
目次
【1 見えないじゃないか】
じいちゃんと散歩/書き初め/見えないじゃないか/犬はまってる/ひなたぼっこ/おばあちゃんとわたし/おっきいばあちゃん/さざんかの木/あかちゃんがあんよ/まりちゃん/応援しにきたあきあかね
【2 とりにもらったふしぎな木】
カマキリが生まれた/秋のカマキリ/わあ! とかげ/くものうち/冬ごもりした金魚/毛虫 /わたしの指にトンボが止まった/むくどりさんは/小鳥の巣/困ったな/きじのおとうさん/とりにもらったふしぎな木
【3 ゴーヤのつるが】
ゴーヤのつるが/草/着替えしたからうれしいの/モジズリ/きいろい垣根/お月さま/ねずみ花火/注射のあとのカットバン/大きな虹/のんぼり洗い/波の列/逃げ水
解説(畑中圭一)
あとがき
著者プロフィール
■著:柘植愛子(つげ あいこ)
1934年 愛知県刈谷市に生れる
1953年〜1978年 保育園保育士・園長
1975年 サトウ・ハチロー主宰 木曜会 入会
1978年 刈谷市指導主査
1989年 日本童謡協会入会
1992年 乳幼児健全育成相談員
2006年 第 36 回 日本童謡協会新人賞受賞(『たんぽぽ線路』)
著書
『はずかしがりやのコジュケイ』(1995年 ジュニアポエム双書・銀の鈴社刊)
『たんぽぽ線路』(2005年 ジュニアポエム双書・銀の鈴社刊)
『赤いながぐつ』(2017年 ジュニアポエム双書・銀の鈴社刊)
■画:高垣真理(たかがき まり)
イラストレーター。宮崎市生まれ。多摩美術大学デザイン科染色専攻卒業。フィンエアー冊子や植物実用書の挿し絵、読み聴かせ絵本(アクティブケイ)、BSジャパン(テレビ東京)のテレビ絵本、音楽ポスターのイラストやお寺のお守りなど幅広く制作。挿絵は「こごろうくんと消えた時間」(冨山房インターナショナル)、「星がかがやくように」(冨山房インターナショナル)。現在尾道市在住。