4115絵本に見る蝶の表現
「絵本に見る蝶の表現
――欧米と日本の作品をめぐって」
神立幸子:著
A5判 160ページ 並製
定価:1,600円+税
ISBN 978-4-86261-110-9
発行:2015年05月
内容
シリーズ「てらいんくの評論」最新刊。
『日本の昔話絵本の表現 ―「かちかち山」のイメージの諸相』の神立幸子がおくる、<蝶>にスポットライトをあてた絵本評論集。
時には主役、時には脇役で絵本に登場する蝶たち。
物語の中でどのような役割を果たしてきたのか?
『あかい ふうせん』、『はらぺこあおむし』、『くさはら』、ビアトリクス・ポターや小山内龍の作品など、時代を超えてさまざまな国で愛されてきた絵本全49点を検証。欧米と日本の比較を軸に、その表現を読み解く。
目次
序章
第一章 欧米の絵本
1 妖精の世界の中で
(1)『ちょうちょうの舞踏会とバッタの宴会』 (2)『妖精の国』
(3)『花のメルヘン』 (4)『ちょうちょのくに』
2 ポターの作品の中で
(1)『ジェレミー・フィッシャーどんのおはなし』
(2)『のねずみチュウチュウおくさんのおはなし』
3 蝶はひらひら
(1)『あかい ふうせん』 (2)『ひよことあひるのこ』
(3)『きりぎりすくん』 (4)『ちょうちょ』
(5)『くさのなかのキップコップ』
4 蝶の成長過程
(1)『りんごとちょう』 (2)『はらぺこあおむし』
(3)『あおむしのぼうけん』
5 ストーリーの中での変容
(1)『ケムエルとノアのはこぶね』 (2)『いもむしのカミーユ』
(3)『ファルファリーナとマルセル』
6 植物とのかかわり
(1)『うさぎのロップイアさん』 (2)『リンゴの木』
(3)『蝶の目と草はらの秘密』
7 子どもと蝶
(1)『エミリーちゃんとちょうちょ』 (2)『おばあちゃんのちょうちょ』
(3)『くろい ちょうちょ 地雷で足をなくした男の子の話』
8 蝶のもたらすもの
(1)『おとなしい きょうりゅうと うるさいちょう』
(2)『もうひとり のれるよ』 (3)『ジョゼフのにわ』
(4)『あめが ふるとき ちょうちょうは どこへ』
以上の絵本二十七冊の出版国別による発行年代順一覧
注
第二章 日本の絵本
1 蝶は巻頭に描かれる
(1)『虫ノイロイロ』 (2)『虫のわらべうた』
2 小山内龍の作品の中で
(1)『昆蟲たちの國』 (2)『うさぎの手紙』
3 蝶はひらひら
(1)『きいろいのは ちょうちょ』 (2)『とべバッタ』
(3)『はるのちょう』 (4)『くさはら』
4 蝶の成長過程
(1)「モンシロテフノオハナシ」(『昆蟲ノハナシ』)
(2)『ふうちゃんとあげはちょう』
5 ストーリーの中での変容
(1)『こびとと いもむし』 (2)『いもむしくんがねむったら』
6 植物とのかかわり
(1)『ちょうちょ はやく こないかな』 (2)『ぎふちょう』
7 子どもと蝶
(1)『ビップとちょうちょう』 (2)『あかいチョウチョ』
(3)『黒いちょう』 (4)『虫めずる姫ぎみ』
8 蝶のもたらすもの
(1)『密林一きれいなひょうの話』 (2)『ちょうちょう ひらひら』
(3)『おひさまをはこぶちょう』 (4)『ちょうちょ』
以上の絵本二十二冊の出版年代順一覧
注
終章
1 生態とのかかわり
2 擬人化のいろいろ
3 蝶とふれあうもの
4 日本の絵本の行方
注
参考文献/あとがき/図版出典一覧
著者プロフィール
神立幸子(カンダツユキコ)
1936年、東京都に生まれる。
著書
『二十世紀の絵本の表現 ―本来のものに立ちかえる世界―』(武蔵野書房 2002年)
『日本の昔話絵本の表現 ―「かちかち山」のイメージの諸相』(てらいんく 2004年)