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4128神保光太郎

てらいんくの評論
神保光太郎 詩人の生涯

竹長吉正:著
四六判並製 170ページ  
定価:1,800円+税
ISBN978-4-86261-181-9
発行:2023年11月

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9784862611819神保光太郎

内容

酷薄な現実の中にも、「たくさんの色どり」を見出して――。

激動と不安の時代に、リアリズムを描きながらロマンを夢見る詩を綴った詩人・神保光太郎。
青春時代から、戦時中の報道班員の時代もあり、山形から京都・東京・埼玉へと活動の拠点を追求し、立体的に創作活動をまとめた研究の書。

「あとがき」より

 この本は詩人神保光太郎の生涯について詳しく書いた。もうずいぶん昔のことだが、私は娘を連れて神保邸宅へ行った。
 その時、奥様もいて私の娘へお菓子をくださった。娘は「今は食べなくて家へ帰ったら食べるよ。」と言った。
 光太郎さんは白髪のおじいさんだったが、大きな声で出身地の山形や、大学時代の京都を話して、ワッハッハと笑った。
 そして、今住む浦和の風景を彼は話した。別所沼という池があり、公園もあった。その池のまわりを歩き、公園の木々をあおぎ見たという。こうした神保さんの話を聞いて私は神保宅を出た後、娘と共に、池や公園を見た。すばらしい風景だった。
 神保光太郎の生涯は戦争もあって大変だったが浦和に住んだことをうれしく思ったようだ。

目次

第一章 青春時代――山形中学校・山形高等学校の生活――
第二章 詩人としての初期――雑誌『詩と散文』『磁場』『麵麭』――
第三章 詩風の転回点――ロマンチスト面とリアリスト面――
第四章 短歌時代と報道班員の時代――大正末期から昭和十年代末期まで――
第五章 異郷に根をおろす――山形から京都、東京、埼玉へ――
第六章 神保光太郎の詩論――「愴しみの克服」を中心に――
第七章 子どもをうたう神保光太郎の詩と文章
第八章 神保光太郎から話を聞いた――訪問記の様々――
第九章 神保光太郎の書簡
第十章 写真の解説
第十一章 神保光太郎年譜
第十二章 研究参考文献
あとがき

著者プロフィール

竹長 吉正(たけなが よしまさ)
1946年、福井県生まれ。埼玉大学名誉教授。白鷗大学、埼玉県立衛生短期大学(現、埼玉県立大学)、群馬県立女子大学などでも講義を行った。
日本近代文学、児童文学、国語教育の講義を行い、著書を出版。『日本近代戦争文学史』『文学教育の坩堝』『霜田史光 作品と研究』『ピノッキオ物語の研究──日本における翻訳・戯曲・紙芝居・国語教材等―』『石垣りん・吉野弘・茨木のり子  詩人の世界──(附)西川満詩鈔ほか──』『石井桃子論ほか──現代日本児童文学への視点──』『石井桃子論ほか 第二──現代日本児童文学への視点──』『蔵原伸二郎評伝──新興芸術派から詩人への道』『中野孝次研究──自伝及びドイツ旅、それに日本の古典』『漱石爽快記──俳句・小説・人と人とのつながり』など。三省堂の高等学校国語教科書の編集委員をつとめた。

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